東大の理系院生ながら、開発職ではなく広告代理店へ。専門性を活かす道ではなく、文系就職をすることに決めた理由とは。異質とも言える意思決定をした鈴木さん(仮名)に就職を振り返ってもらいました。
記事末に2018年卒の学生へのアンケート結果レポートがあります。
ぜひダウンロードしていただき、19卒以降の採用にご活用ください。
-早速ですが、内定先企業はどんな所なのか教えてください。
鈴木:内定先企業は大手総合広告代理店です。国内海外問わず、
多くの民間企業、行政をクライアントに持ち、幅広い事業領域に
コミュニケーションビジネスを展開しているのが特徴です。
-理系院生で、広告代理店の選考を受けていたのですね。どういった軸で就職活動をしていたのですか?
鈴木:最初から広告代理店に行こうと思っていたわけではなかったですね。
最初は自分の専門性やスキルを活かしつつ、プロジェクトベースで動けて、
かつ自分のアイデアを形にすることができる業界という軸で企業を見ていました。
そこで、夏は広告・鉄道・コンサルを中心に日系外資問わず幅広くインターンに参加することにしました。
実際にインターンに参加して、広告・鉄道・コンサルを比較したときに、
1つの事業の周期が早いという点や、戦略を形にして最終的に実行まで落とし込み、
顧客にしっかりと寄り添ってPDCAを回していける点から、
鉄道とコンサルが選択肢の中から落ちて、広告が残りました。
他にも、大学院で研究を行う中で基盤を作ることよりも、
なにか物事に付加価値を生み出すほうが自分には向いてるなと気づいたので、
その点でも広告はおもしろそうだと感じましたね。
-広告業界の中でも、最近は色々な選択肢がありますよね?どうして総合広告代理店だったのでしょうか?
鈴木:ネット広告代理店で長期インターンを半年ほどさせていただいたのですが、
そこで気づいたことが2つありました。1つは、すべてがデジタルで完結してしまうのが
自分にとっては物足りないということです。アウトプットは最終的に目に見える形、
例えば空間デザインといったもの、がいいと考えていたので、
多くの施策がオンラインで完結し、パソコンに表示される数字が
最重要視されるネット広告の世界は自分には合わないなと感じました。
-なるほど、デジタル領域の広告代理店での経験が大きかった訳ですね
鈴木:そうですね。
あと、もう1つは、自分にとっての成長環境とはなにかというものに関してでした。
就活生のときは、成長環境という軸も含めてベンチャー気質のあるネット広告代理店を検討していたのですが、
人材の評価軸と自分の中での価値観が異なっていて、そこに自分としては違和感を覚えました。
その時に、成長環境は与えられるものではなく、
自分で作り出すもので、自分がどれだけ熱意を持って取り組み、
結果を出すかにすぎないということを実感したんですよね。
これはモチベーションをどこに感じるかで人によって異なるのですが、
自分の場合モチベーションを自分の中に作れる方なのでこの考えがしっくりきました。
そこからは、自分は幅広い事業領域に対してのインパクトの大きさ、
そしてベンチャー気質のある会社じゃなくても大手で
ベンチャー的な働き方ができると思い、総合広告代理店に絞っていきました。
-周りが自身の研究分野から仕事を選ぶ中、鈴木さんは何を考えて、就活をしていましたか。
鈴木:かねてから、僕を含めて理系院生は自分の専門に
とらわれすぎているのではないかと思っていました。
周囲の院生には、自分の研究分野の範囲から仕事を選ぶとか、
教授の推薦で紹介してもらった特別選考枠の中から
受かったところに行くといった学生が多かったんですよね。
それを見ていて、自分がどういう状態にあれば
楽しく充実した人生を歩めるのかを考えて、
キャリアを選べてないなと感じていたので、
少なくとも自分は経験やスキルだけでキャリアを選ばず、
幅広く選択肢を持った上で、自分に納得感のある就活をしました。
結果として、納得感の高い就活ができたと思います。