新卒採用を成功させる採用ターゲット設定とは?【採用計画に役立つExcelシート付き!】

目次


1.採用ターゲットの設定とは
2.採用ターゲット設定の手順
3.本記事のまとめ



1.採用ターゲットの設定とは




企業の採用の現場において、下記のような会話はよく見受けられるのではないでしょうか?

「とりあえず『地頭が良くて、リーダーシップも発揮できて、コミュニケーション能力が高くて、
打たれ強くて、機転が効いて、人の話をちゃんと聞く新卒』が欲しいけど、どうすれば採用できるかな?」

たしかにそれは優秀な人材かもしれませんが、採用ターゲットの設定があやふや になっています。

そこで、企業の新卒採用を計画するにあたって必要な2つの要素である、

・「採用ターゲットの設定」
・「年間スケジュールの組み立て」

のうち、今回の記事では前者「採用ターゲットの設定」について詳しく解説していきます。


新卒採用を行うにあたって、企業が採用ターゲットを明確に設定することは

●応募段階での絞り込みが可能となり、採用が効率化される

例えば大学群など、欲しい人材がはっきりしていれば、その層に刺さるチャネル選び、有効な施策を打つこと
が可能になるので採用活動は効率化されます。

●企業との親和性が高く、活躍が期待できる人材の採用がしやすくなる

欲しい人材=「自社で活躍できる見込みのある人材」がはっきり言語化できていれば、選考を通して
欲しい人材の見極めも容易になります。

●企業の中長期的な経営戦略を加速させることができる

企業の経営戦略と連動した新卒採用をすることで「新規事業の責任者として、育成済みの新卒◯年目の人材を
充てる」などを始めとした、中長期的な視座 を持ったスマートな人事が可能となります。

このように企業の採用活動において、複数の利点を生み出します。


では、逆に採用ターゲットが不明瞭なまま採用活動を行うとどうなるでしょうか?

「欲しいと思える人材がなかなか集まらず採用活動が非効率的だ」
「自社の採用力に見合わない人材を狙いすぎ、予定の採用人数に達しない」
「優秀だと思った新入社員が自社の雰囲気とマッチせず、活躍できてない」

このように、採用活動そのものも上手くいかない上に、将来的な企業の状態をも左右しかねません。

では、採用ターゲットの設定をするために人事は一体どのような働きをすればいいのでしょうか?

2.採用ターゲット設定の手順

採用ターゲットの設定をするにあたって、新卒採用を担当する企業人事の方には以下の行動が求められます。

・自社の過去の採用実績についての分析
・採用ターゲットのペルソナ作成
・競合他社(採用/事業)の採用活動についての分析

ではそれぞれの項目で具体的にどのような行動が必要かを解説していきます。

自社の採用活動について分析

まず始めに、「自社の採用活動について分析」をする必要があります。
このフェーズでやることは、

(1)自社の昨年度の採用実績を見る
(2)社内で活躍している人材の洗い出しをする
(3)将来の経営戦略上、数年後に必要となる人材の洗い出しをする

の3つです。


(1)自社の昨年度の採用実績を見る

ここでは、昨年度、採用したかった層(理想)と採用できた層(現実)にギャップがないか、
あるとすればどの程度なのか、何が原因なのかを洗い出します。
もし仮に、理想通りの採用ができた場合、理想的な採用層である学生たちに刺さった自社の魅力因子を
明確に把握できているかを確認します。
これにより再現性のある採用が可能なのであれば昨年度通りの採用活動をするといいでしょう。


(2)社内で活躍している人材の洗い出しをする

ここでは、社内で結果を出している社員を年次や部署別に分けてリスト化。特に新卒入社している社員を
中心にヒアリングを行います。

ヒアリングしたい内容としては

・活躍している社員の成果が出ている理由
・活躍している社員の学生時代の経験、特性、強み
・活躍している社員が感じている自社についての魅力

などが挙げられます。

このようにして集めた情報を元に、社内で活躍できる人材が持つ共通因子の洗い出します。

また、優秀社員が転職せずに自社で働き続けている理由 を聞き出すことで、学生にアピールできる
自社の魅力因子を知ることができます。


(3)将来の経営戦略上、数年後に必要となる人材の洗い出しをする

さらに、新卒採用の担当者だけではなく企業の 経営層 と連動して、経営戦略的に将来必要になるであろう
人材を具体的にします。

例えば、将来的に経営に参画出来るような超優秀人材が欲しい場合であれば、現段階で超優秀層にとっての
魅力因子が自社に存在するのかどうかの洗い出しが必要です。もしそのような要素がない場合は、経営陣を
説得して、数カ年規模で戦略的に自社の魅力を醸成する期間を設ける必要があります。

●採用ターゲットのペルソナ作成

次に、「自社の採用活動について分析」を元に「採用ターゲットのペルソナ作成」をする必要があります。

ペルソナとは、自社のターゲットとなるユーザーを「実在する1人の人間」として見立てて、その人の

・デモグラフィックデータ( 年齢/出身大学/性別/居住地 など)
・サイコグラフィックデータ( 好み/傾向/ライフスタイル など)

を細部に落とし込んでいくマーケティング手法のことです。

「企業理念」や「自社で活躍する人材の共通因子」、逆に「あまり活躍できていない人材の特徴」などから
具体的な採用ターゲット像(=採用ペルソナ)を作り出します。
採用活動においては、一般的に大学群をペルソナに指定する企業が多いですが、
採用ペルソナは必ずしも「一つ」に絞り込む必要はありません。

募集しているポジション、求めている役割ごとにそれぞれの採用ペルソナを設定したほうが
効果的な場合があります。

●競合他社の採用活動についての分析

最後に、競合他社の採用活動についての分析です。
ここでいう「競合他社」は、「事業競合」と「採用競合」の2種類を指します。

事業競合」とは、もちろん同業他社のことです。
この「事業競合」の企業とは、就職活動において業界単位で企業を見ている学生を取り合うことになります。

一方で、「採用競合」とは、「設定した採用ペルソナが被っている他社企業」のことです。
この「採用競合」の企業とは、同じ属性を持つ学生を取り合うこととなります。

この二種類の「競合他社」の採用活動がどのようなものなのか、他社の人事や採用ベンダーなどの情報網を
駆使して集め、設定した採用ターゲットへのアプローチするための手段を知ることができれば、
自社の採用計画を立てる上で非常に参考になることでしょう。

他社の動向を収集するためには人事同士で良好な関係性を築いて、採用情報や学生の就職活動の市況感を共有
するなどが効果的です。

企業規模や風土の違いによって、必ずしも「事業競合」=「採用競合」とはならない ことに注意しましょう。

まとめ

・「採用ターゲット」があやふやだと採用活動どころか、企業の将来にとってマイナスになる
自社の採用活動と活躍人材 を分析して「採用ターゲット像」を明確に
・「採用ターゲット」の被っている 競合他社 の情報を集めて積極的に自社の採用活動に取り込もう

採用ターゲット設定に役立つExcelシート

内容

・活躍社員ヒアリングシート

 自社の活躍社員についてヒアリングした内容を記入するシート。
 項目を埋めることで共通因子の洗い出しが容易になります。

・自社魅力因子分析シート

 自社の魅力因子について、人事視点と現場視点でのすり合わせ用のシート。
 認識のズレを修正し、本当に訴求すべき自社の魅力の洗い出しができます。

・自社魅力因子アンケートシート

 「自社魅力因子分析シート」用のアンケートシートです。


以上の3つのシートがセットになったExcelシートをぜひ採用活動にお役立てください。
ダウンロードは下記のフォームから可能です。


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