理系新卒の就活状況とは?理系新卒の採用を成功させるためのポイントとは

目次


1.理系の学生の就活とは?文系学生との違いはあるのか?
2.【インタビュー】理系就活生に聞きました!
3.理系新卒の学生を採用するためのポイントとは?



1.理系の学生の就活とは?文系学生との違いはあるのか?




株式会社RECCOOでは、日本最大級のキャリア教育支援NPO en-courage(エンカレッジ)と共同で全国の文系学生と文系就職を検討する理系学生、合わせて約700名にアンケートを実施しました。
今回はその結果を元に、文系学生と理系学生の違いを整理していきたいと思います。
文系学生と理系学生の差が分かるレポートはこちらの記事からダウンロード出来ます。

主に、以下の3つについての違いをまとめていきます。


・就活開始時期
・就活の状況について
・内定が欲しい時期


・就活開始時期

就活開始時期については、文系学生と理系学生の間に大きな差はありませんでした。
どちらも本格解禁1年前の5-6月に開始している学生が4割以上で、サマーインターンへの準備期間に就活を開始していることが分かります。
就活の早期化は、文理に関係無く進んでいるようです。

・就活の状況について

理系学生は、文系学生に比べて、企業研究を行っている学生の割合が高いようです。
文系学生が35%程度、理系学生が45%程度と企業分析をしているかどうかで10%程度、企業分析をしているかどうかに差があります。
理系学生の方がより企業分析を重視していることが分かります。

・内定が欲しい時期

内定が欲しい時期についても、文系学生と理系学生の間で差がありました。
文系学生では、解禁前の12月末までに内定が欲しい学生が50%を超えているのに対し、理系学生は30%強と、それほど内定獲得の時期などにはこだわっていないようです。
一般的に研究室での研究などで忙しいことが多い理系学生ですが、特に早期内定などへのこだわりはないようです。
企業分析を重視していることからも、じっくりと企業理解を進めた上で内定を獲得したいという意思が見られます。

2.【インタビュー】理系就活生に聞きました!

ここからは、エンカレッジを利用してくださっていた理系院生の方々にインタビューをしていきたいと思います。
今回は、東京都内の国立大理系院生にインタビューしました。

藤原さん(以下、藤原)本日は、よろしくお願いいたします。

-藤原
よろしくお願いいたします。

理系院生として、研究をしながら就職活動をしていたということですが、最終的にはどんなところに就職するのですか?

-藤原
IT系のベンチャー企業に就職します。
その会社とは、ウィンターインターンで出会って、そのまま就職することを決めました。
研究室の同期は10名弱いますが、他の同期はメーカーへ研究室推薦で就職するので、自分は異質かもしれません。

なるほど。唯一の文系就職ということですね。
しかもベンチャー企業。同期とは、何かキャリア選択について、話をすることはあるのですか?

-藤原
いや、ほとんどないですね。
自分は修士1年になる前に、研究が向いていないなと思ったこともあり、割と修士1年の夏前からは就職活動にシフトしていたので、あまり研究室にもいませんでした。
夏頃は、外資系のコンサルティングファームや、外資系金融など理系院生の中でも割とメジャーなキャリアを考えていました。

ベンチャー企業に関心を持つようになったのは、いつ頃ですか?

-藤原
夏のインターンが終わってからだと思いますね。
夏のインターンでは、先ほどお話したように、外資系コンサルや、外資金融のインターンに参加したのでベンチャーは、一切、自分の頭の中にはなかったので。
ただ、参加したサマーインターンの中で個人的に違和感、というかモヤモヤを感じてしまって。

それは、どんな違和感・モヤモヤだったのですか?

-藤原
漠然とですが、研究室で悩むことをこれからも繰り返しそうだなと感じました。
1つのテーマがあり、理論的にどんどん深堀して形にしていく。
理論を深堀すればするほど、領域が狭くなっていくのと、考えることが多くなる。
僕自身考えることは好きなのですが、考えた後に実際にやってみて学ぶタイプだったと分かり、今の研究室が合わずに悩んでいました。
これは、外資系コンサルや外資系金融でも同じだと思いました。
もちろん最近では、ハンズオンと呼ばれる経営を実際にするようなスキームもあるとは思いますが、まだまだ割合としては少ないと思います。
なので自分はより「考えて実践する」というサイクルがより濃いであろう、ITベンチャーへと志望を変えました。

志望する業界、というか企業が変わってからはどんな就職活動をしていましたか?

-藤原
知り合いを頼ってITベンチャーで働いている方に多く会いました。
その時期は、ちょうどサマーインターンとウインターインターンの間の時期で、よりリアルに仕事を経験出来る機会は少なかった記憶があります。
そのため、実際に働く方にお会いし、イメージを膨らましていましたね。
自分がサマーインターンで感じたモヤモヤは、本当にITベンチャーだったら感じないのか。
もちろん完全に不満を感じないキャリアが無いことは、研究室をしっかり考えて選んだ時の経験から、ある程度分かっていました。
それでも過去の経験を元にキャリアを考えたいと思っていました。
その時にあくまで相対的ですがやはり現状では、ITベンチャーが自分の抱えていたモヤモヤを解消する最適な選択肢だと思いました。
特に少人数で複数事業を連続的に生み出している企業。
そのような企業では自分が若くして1つの事業にリーダーとしてアサインされる可能性があり、試行錯誤の量が圧倒的だと思いました。
しかも事業単位で考えることになるので、領域も広い。
これだ!と思いました。単純すぎますかね?(笑)

いや、明確だと思います。
その後は、どのようにそれに合う企業を見つけていったのですか?

-藤原
その後も結局、人づてというのが一番効果的だった気がします。
人に聞くということと、実際に企業に行ってみること。
軸は明確になっていたので、とにかく当てはまる企業を聞く。
そうしていくと、徐々に被る企業が出てきて、その企業の選考やインターン情報を探して申し込んでいました。
結局、5社ほどの企業の選考やウインターインターンに参加しました。
その中でも2-3社から内定をもらい、そこから絞りましたね。
自分の中では、どの企業も先ほど話した軸には合っていたので、どこに入っても納得は出来たと思いますが、最後は人と組織風土で決めました。
採用担当だけではなく、社内の人が何を言っているかは、実際に働く時にとても重要だと思ったので。
採用に関する情報って、ある程度まで作り込めると思います。
なぜなら、毎年計画をして試行して改善をしているはずなので。
ただ、社内の人が話す内容はなかなか変えられないですよね。
日々の業務の積み重ねなので。
そう思ったので、結局はよくある人と組織風土で決めた感じです。

文系学生と理系学生の違いとして、何か感じることはありますか?

-藤原
理系学生は、研究職が前提としてあるのでキャリア選択をする際に、基本的に研究職との比較を経験していることですかね。
どうしても、研究職としてなのか、ビジネス職としてなのか、それともITエンジニアなどなのか、とキャリアを分けて考えている時があると思います。
周りの文系学生の多くは、総合職の中で何をしていくかみたいなプロセスが多いと思うのですが。
結果として、より広い選択肢から絞っていくことになるので「なぜ別の道ではないのか」が明確だと思います。
特に「なぜ、研究職ではないのか?」ということは考えているかなと。
実際に研究している学生が多いと思うので、経験した上で判断しています。
だから明確に理由があるかなと。
しかも、その理由というのは、僕自身のように最後の意思決定でも決め手になることが結構な確率であるのではないかと思います。

なるほど、経験した上での意思決定をしているから選ばない理由も明確だと。
だからこそ、最後の意思決定時点でも影響があるということですね。
本日は、理系学生のリアルな声を聞けました、ありがとうございました。

-藤原
こちらこそ、ありがとうございました!

3.理系新卒の学生を総合職で採用するためのポイントとは?

文系学生と理系学生に関するデータ、さらには理系院生へのインタビューを通して、企業が理系新卒の学生を総合職として採用する際に、意識したいポイントを以下にまとめました。


・採用活動を開始する時期
・新卒採用における企業情報などの情報
・(文系就職の場合)なぜ、理系の枠で就職をしないのかの理解


・採用活動を開始する時期

文系学生、理系学生ともに就活開始時期には、大きな差がなくサマーインターン前が大きな割合を占めていることから、採用活動もこの時期から始めるのが良さそうです。
特に企業分析を行っている理系学生が多いことから、じっくりと比較して決める可能性があります。

・新卒採用における企業情報などの情報

文系学生よりも企業分析を多くしていることから、理系学生が多く自社の情報に触れるような場所では、企業情報をリッチにすることが必要です。
また、理系学生はより数字を見ているという話もあったので、数字で理解出来る情報も有用そうです。

・(文系就職の場合)なぜ、理系の枠で就職をしないのかの理解

インタビューしてみると、多くの理系学生は研究職とビジネス職や、ITエンジニア職との比較を経験しているようです。
その際に、研究職としての就職をしないと決めたのかを理解することが重要になりそうです。
特に研究室を決める際には、元々テーマを持って決めている学生が多いため、理系の枠で就職しないことには何らかの理由があり、それにより意思が変わったことは想像つきます。
理系学生があえて理系就職を選ばない場合、それに対する理解も必要不可欠です。

【最新版】21卒理系学生の就活動向データのダウンロードはこちらの記事から

キャリア教育支援NPO en-courage(エンカレッジ)とは

日本全国80以上の大学に支部を持ち、
これまでに【10万人以上の学生】の就職活動を支援してきた日本最大級のキャリア教育支援NPO。
「日本の就活を変える」というビジョンに共感いただく企業様も日々増えています。
エンカレッジを活用する学生は20卒約3万人、21卒約5万人と、会員数を次第に伸ばし、22卒会員数は8万人見込みとなっております。

株式会社RECCOOとは

株式会社RECCOO は、エンカレッジと包括的業務提携を結び、上位校を中心とした学生の採用を継続的にサポートしています。
月間100万PVを誇る求人媒体への情報掲載や、イベント開催やご送客を通じた接点創出、さらには学生との面談を通した個別紹介など幅広いサービスを展開しております。
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