目次
・はじめに
・内定辞退の具体的なケース
・採用活動における内定辞退が発生する主な原因
・内定辞退を防ぐために採用活動を通して気をつけるべき3つのポイント
・採用時期別に見る、学生との適切なコミュニケーションとは?
・本記事のまとめ
はじめに
面談や面接を繰り返して、候補学生に対し自社の魅力づけを行い、ようやく内定を出したものの、最終的にあっさりと電話で内定辞退を告げられてしまう。
採用担当者であれば、誰もが一度はこんな経験をしているのではないでしょうか。
就活も後半にさしかかるにつれ、内定辞退者数も徐々に増えてくるため、対応に追われる企業も少なくないかと思われます。
本記事では、そんな採用担当者の頭を悩ませる内定辞退に対して、どのように向き合うべきか、どうすれば回避できるのかをお伝えします。
内定辞退の具体的なケース
まずは、採用活動における内定辞退の具体的なパターンをいくつか見てみましょう。
①電話による内定辞退
最も一般的なパターンとして、電話による内定辞退が挙げられます。
「内定辞退の連絡」が伝わったか確認できないメールや手紙に比べて、電話は確実に伝達することができ、学生としても企業や担当面接官に対して誠意を示しつつ内定辞退を連絡できるためです。
②メールによる内定辞退
一方で、電話連絡だと、「担当面接官と気まずくなってしまう」との理由で、メールで内定辞退連絡を行う学生もいます。
また、電話に比べてメールだと、自分の思いや、企業・担当面接官に対するお詫びや感謝の気持ちを整理して伝えることができるという点も挙げられます。
なお、内定辞退の主な時期についてですが、これは電話でもメールでも大きな差はなく、内定式前後や、他社の内定が出揃ったタイミングなどが目立つといえるでしょう。
採用活動における内定辞退が発生する主な原因
そもそも、学生の内定辞退はどういった理由で起こるのでしょうか?
内定辞退は、企業から内定をもらった学生が、
・その内定先の企業で働くことがイメージできなくなる
・別の企業や進路に、より大きな魅力を感じるようになる
ことが原因で発生します。
早期に学生に内定を出してから、ほとんどその学生とコミュニケーションを取らなかったり、
逆に取っていても、「面談や面接で受けた企業の印象と違っている」と思われることで、その企業で働くイメージができなくなるケースが見られます。
また、就活も後半になってくると、大手含め競合他社の内定が出揃ったり、
満足いく結果にならなかったため、進学を選択する学生が出てきたりなども考えられます。
ということは、企業が内定辞退を対策する場合は
上記の2点を重点を置いて対策する必要があると言えるでしょう。
では、具体的にどのような行動や施策が内定辞退対策として有効なのでしょうか?
まず前提として、内定辞退は企業の採用規模によって発生率や発生時に企業側の受ける損害が大きく異なるので、内定辞退対策の重要性も異なります。
そこで今回は、
・内定辞退を防ぐために採用活動を通して気をつけるべき3つのポイント
・採用時期別の内定出し前後の学生への接し方
について解説していきます。
内定辞退を防ぐために採用活動を通して気をつけるべき3つのポイント
①「内定者目線になる」
まず、採用担当者が内定者目線に立って、抱えているであろう不安や疑問を解消したり、その企業の一員として働くイメージをより鮮明にするための手助けをしたりすることが大切です。
学生は、基本的には説明会や担当面接官とのやりとりとった選考を中心として、その企業を深く理解するしかありません。
選考段階で得られた、学生の価値観や判断基準などの情報を元に、学生の心に刺さるアピールをすることでより効率的に魅力を伝えることができます。
②「自社に愛着を持ってもらう」
内定者に来期卒向けのインターン設計に参加してもらったり、就活生向け座談会の話者として起用したり、内定先インターンとして実際に業務に関わってもらったりすることで、内定先の企業の一員であるという自覚と愛着を持ってもらうことも大切です。
注意点として、自社の魅力づけを行う際に「競合他社を貶める」ことで相対的に自社の評価を上げようとしてしまうことがあるかもしれませんが、このようなアピールの仕方は逆効果となることが多いです。
特に、採用段階で人事以外の役職とのコミュニケーションの機会を設けている場合は、このことを全社で共有しておく必要があります。
他社と比較したアピールをする際には、その差異を明確にして、
「他社は〇〇がいいけど、△△が強いキミにはウチの方が合っている」
というようなアプローチをするべきでしょう。
③「定期的なコミュニケーション」
内定出し以降のコミュニケーションをおろそかにしてはいけません。
新卒採用のゴールは内定を出すことではなく、その企業の一員として将来的に活躍してもらうところにあります。定期的にコミュニケーションを取ることで、企業側から内定者に対する期待をアピールすることが大切です。
また、コミュニケーションを重ねることで、先述した企業に対する愛着を自然な形で持ってもらえる可能性が高いです。具体的な施策としては、内定者インターンや懇親会、勉強会、カジュアル面談などが考えられます。
採用時期別に見る、就活生との適切なコミュニケーションとは?
ここでは、内定辞退者が発生した場合の損害が大きく、内定辞退対策の重要性も高い、採用予定数が50名未満の中小/ベンチャー企業を例に考えてみることにします。
●年内(〜12月)に内定出しをするならスピード勝負
この時期の採用ターゲットは、
・サマーインターン参加者の優秀層
・秋冬の選考に申し込んだ学生の優秀層
この時期に動き出している学生は就活に積極的であり、情報感度も高く、優秀な層であるといえます。
そのような学生に対しては、単純に自社をアピールするだけではなく、広く就活全般に対する悩み相談に、キャリアコンサルのような立場でコミュニケーションを取るのが効果的です。
他社での選考状況について把握しつつ、価値観や判断基準を深く知ることもできるため、学生と質の高いコミュニケーションを取ることができます。
また、この時期に他の企業よりも早く内定出しをすることで、
「いち早く自分の価値を認めてくれた企業」
というプライオリティを確保することができるため、エンゲージメントを獲得することができます。
●年明け〜春前(1月〜3月)はベンチャー内定出しの激戦区
この時期の採用ターゲットは、
・ベンチャー企業に就職することをメインに考えている学生
・サマーインターン参加者の中で、交流を重ねることで自社の評価が上がった学生
・冬の選考に申し込んだ学生の優秀層
ベンチャー志向の学生はこの時期にスパートをかけて就活をしています。
そんな学生にとって、企業の優先度は日々変化しているものだと考えましょう。
逃したくない人材であるならば、積極的にコミュニケーションを取り、その学生の選考状況の把握もする必要があります。
また、年内に内定承諾した学生をこの時期の内定者に会わせるのも効果的です。
横の繋がりが生まれ、「その企業で働くイメージ」を具体的に描きやすくなり、「一緒に働く同期」という感覚が学生の中で醸成されるため、新たな内定承諾に繋がることが期待できます。
●春(4月〜6月)に内定出しは大手企業との勝負
この時期の採用ターゲットは、
・大手企業を受けつつもベンチャーも視野に入れている学生
・ベンチャー企業に早期内定しているが、決めきれていない学生
この時期は大手企業の採用が本格化しているので、優秀な学生は取り合いになってしまいます。なので、中小/ベンチャー企業は大手などに負けない自社の強みをしっかり学生に伝える必要があります。
また、学生の話をしっかり聴き、本人の意思決定の特徴を理解し、それに合ったアプローチを仕掛けるようにしましょう。
例えば、複数の企業を比較して吟味し、納得のできる選択をしたいという学生なら、
→ “長期戦”を覚悟し、自社の魅力をアピールし続ける
成長意欲があり、勢いのある企業を選択したい学生なら
→ 社内の意思決定の早さを感じさせるような“短期決戦”を意識する
6月中には内定者懇親会を開催し、最終的な意思決定に迷う学生をフォローし、承諾してもらえるようにしたいところです。
この時期はどの企業も懇親会を開催する時期なので、先行して開催できる方が良いですが、学生のイメージが崩れるようなクオリティならば、逆効果になってしまうため注意が必要です。
●7月以降の留意点
まず第一に、内定者とのコミュニケーションをおろそかにしないことは大前提です。
他社の内定も出揃うタイミングなので、学生から電話やメールでの内定辞退連絡が増えてくるのもこの時期です。
したがって、この時期に連絡がつきにくい場合は何らかの理由で、自社に魅力を感じなくなっている可能性が高いので、採用担当者はその内定者の迷いや不安を汲み取ってその解消に努める必要があります。
先述したような、内定者インターンや定期的な勉強会、内定者ワークの出題などはこの時期の内定辞退防止策として有効です。
本記事のまとめ
ここまで、内定辞退を未然に防ぐための様々なポイントについてみてきました。
最後に、簡単なまとめに入りたいと思います。
まず、内定辞退のケースとしては、内定出し前後や内定式前後の時期に発生することが多いです。内定辞退の手法として最も一般的なのが電話で、電話に次いで多いのがメールでした。
また、内定辞退の主な原因としては、下記2点。
・その内定先の企業で働くことがイメージできなくなる
・別の企業や進路に、より大きな魅力を感じるようになる
そういった内定辞退を回避するために必要な3つのポイントは、
①「内定者目線になる」
②「企業に愛着を持ってもらう」
③「定期的なコミュニケーション」
こちら全てをしっかりと理解し、時期に応じた適切なコミュニケーションを学生と取っていくことで、確実にミスマッチによる内定辞退は防ぐことができることでしょう。
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