新卒採用のメリットを意識していますか?戦略的な採用計画を

目次

1 新卒採用の現在

2 新卒採用のメリットは?

3 新卒採用のデメリットは?

4 自社のフェーズに合わせた新卒採用の戦略を



1 新卒採用の現在

近年「新卒一括採用」の是非が問われ、新卒採用のあり方が変わろうとしています。
新卒一括採用とは、大学/大学院などに在籍する学生に対して、同じ時期に採用選考を行い、卒業後すぐのタイミングで一斉に入社を受け入れる採用方法です。


これまで多くの学生は、一斉に採用選考が開催される時期を逃すと、入社できる企業の幅が一気に狭まったり、既卒になってしまうと途端に不利な立場に置かれたりという弊害に苦しんできました。


一方で、新卒採用がここまで浸透している背景には、新卒採用がもたらす多くのメリットも存在しています。

型にはまらない採用形態やキャリアの選択肢が求められる中、企業は優秀な人材を採用するために新卒採用とどのように向き合えばいいのでしょうか。

ここからは、新卒採用のメリットとデメリットを、企業と学生の両面から解説していきます。


2 新卒採用のメリットは?

長年日本企業の採用の定番となっている新卒採用。

経験の浅い人材を短期間で採用するという、一見リスクの高い採用方法を企業が採用する背景には何があるのでしょうか。

企業にとっての新卒採用のメリットは大きく以下の通りです。


・会社組織に所属した経験がないため、自社の文化に馴染む人材

・初めての入社先には愛着が湧きやすく、企業の中核を担う人材になろうと気持ちが芽生える

・中途に比べて条件面をゆっくり精査して入社を決める学生が少なく、心を掴むタイミングがあれば優秀な人材を採用できる

・若く素直な社員が入社してくることで、組織の雰囲気がフレッシュになる

・新しい人材を採用することで、同質化した社員や文化にいい変化が生まれる

・新入社員への指導を通して、既存社員の責任感や能力の向上が期待できる




愛社心の醸成や企業文化への親和性といった価値観に関わる部分は、新卒採用のメリットの中でも特に大きなものでしょう。

仕事上のスキルは採用後の研修や実務の中でも身に付けることができますが、個人がもともと持っている「この会社のために頑張っていこう」という熱意や思いは、その後の企業への貢献度に大きな差をもたらすと考えられます。


また、社会人経験のないフレッシュな人材が組織に加わることで、組織の雰囲気が明るくなったり、長年その企業にいる社員では思いつかないような斬新な視点が得られたりする効果も期待できます。


以上のような新卒採用のメリットを重視する企業の中には、「新卒主義」を掲げ、中途採用をほとんど行わない企業もあります。

一方で、学生にとっての新卒採用のメリットは何でしょうか。


・新卒採用に注力する企業が多く、説明会や座談会といった就活イベントの機会が豊富

・採用スケジュールや選考の定石など、ある程度の大枠が決まっているため、
それに従えば大きな失敗はしにくい

・一部の技術職採用を除けば、応募できる業種や職種に制限がないため、
自分の過去のキャリアなどに縛られることなく選択できる

・能力ベースでの採用が少なく、積極性や明るさ、素直さといった人間性を評価してほしい学生には向いている

・学歴が採用の判断材料になることもあり、上位校に所属している学生は選考の入口で有利になる傾向がある




企業側が新卒採用に積極的な分、学生にとっては多くの企業と出会い、検討を重ねる機会が豊富であると言えます。

また、採用選考で評価される基準については、現時点で持っているスキルよりも人間性や時頭といった先天的な要素が重視される傾向にあり、そこに自信を持っている学生は選考を有利に運べます。


中途採用では入社が難しい企業であっても、新卒採用のタイミングで担当者の目に止まれば、将来への期待を受けて採用にいたることもあります。


3 新卒採用のデメリットは?

前章では、新卒採用のメリットを紹介しましたが、一方でデメリットも存在しています。

企業にとって想定される新卒採用のデメリットはこちらです。


・入社時点の経験やスキルが浅く、採用後の人材育成に時間がかかる

・学生は企業イメージに意思決定が左右される傾向があるため、
中小企業やBtoB企業は、優良企業であっても目に止まりにくい

・学生は働いた経験がないため、思い描いていた活躍イメージと実際の業務にギャップを感じる可能性が高い

・採用人数が多い場合、一時期に採用活動の負担が集中する

・企業が一斉に動く時期を逃すと、学生の獲得が一気に厳しくなる


育成のリードタイムが長いことはメリットの裏返しで、じっくりと自社の文化が身に付く一方で、採用してから一人前になるまでには多くの時間と育成担当の努力が必要です。

また、自分が働くイメージと実際の業務のギャップについては、ある程度避けられない部分です。

新入社員の離職率が度々話題に上がりますが、現在では新卒採用で入社した社員の約三分の一が、3年以内に離職しているというデータもあります。

新卒採用の計画を立てる際には、早期転職の割合も加味した上で目標人数を設定することが重要になります。

続いて、学生にとっての新卒採用のデメリットを見ていきましょう。


・短期間で入社先を決めないといけないプレッシャーがある

・勉強やサークル活動、アルバイトが忙しく、片手間で将来を決定しないといけない

・就職活動が早期化・長期化する傾向にあり、貴重な学生時代の多くの時間を費やす必要がある

・事情があって新卒採用のタイミングを少しでも逃すと、企業の選択肢が一気に狭まる

・社会人としての経験がないため、企業を多面的に分析して評価するのが難しい




決まった時期に就職活動を行わないといけないという時間的な制約は、冒頭で述べた「新卒一括採用」が批判される理由の一つです。

貴重な学生時代を就職活動にどのくらい費やすべきかは、現在でも学生を悩ませています。


しかし、このように在学中に就職先を決定する仕組みは、海外に目を向けると一般的なわけではありません。在学中は勉強や遊びなどい自分のやりたいことにに奔走し、卒業後にそれぞれのタイミングで就職活動行う国もあります。

日本においては、同じ新卒採用の中でも、選考時期を限定した「一括採用」ではなく「通年採用」を実施することで、早い場合だと大学1,2年生から選考対象として学生とじっくり向き合う企業も出てきています。

加えて、近年のインターンシップの浸透は、就職活動に費やす時間を増加させている一方で、就業経験のない学生が実際の業務イメージや企業の文化を掴む機会になっています。


4 自社のフェーズにあった新卒採用の戦略を

新卒採用のメリットとデメリットが見えてきたところで、自社の採用戦略にどういかすかが重要になります。

新卒採用と中途採用のバランスを考える際の指標になるのが、以下の2つです。


・組織内の年齢分布

・自社が置かれているフェーズ




・組織内の年齢分布

組織内の年齢分布については、長期的な人員計画に関係します。
例えば、50代に中核となる人材が集中している場合、約10年ほどでその人材が抜けてしまうことになります。企業文化を継承するという意味では、企業の中心を担う人材がいる間に、文化に馴染む社員を新卒採用で迎え入れておく必要があります。


逆に、平均年齢が20代といった企業では、新鮮なアイデアや勢いだけではなく、人間的な経験の厚みや十分なスキルを持った中途人材を探しだす方が重要かもしれません。

・自社が置かれているフェーズ

これは、創業間もないスタートアップをイメージするとわかりやすいでしょう。
少数精鋭で目の前の数字を負わなければならないフェーズの企業には、人材育成に人を割いたり文化を伝えたりする余裕がないため、新卒採用よりも、手厚いサポートをしなくても即戦力となって事業に貢献してくれる中途採用の人材がよりマッチしているでしょう。


以上は極端な例ですが、採用形態を検討する際には、自社がどんな目的で新卒採用を行うのか、効果的なタイミングはいつなのかという長期的な視点が不可欠です。


また、新卒採用の形態が多様化する今、周囲の企業や学生の動向にも気を配る必要があります。

新卒採用を実施する企業の方は、新卒採用のメリットをうまく生かした採用戦略を立ててみてください。

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