ウィンターインターンが終わり、企業説明会などのイベントが増え、2020年卒学生の就職活動が本格化してくる季節。今回は、数多くある新卒採用の手法において、大手媒体での求人に比べてマイナーである新卒紹介について、情報をまとめました。
目次
1 新卒紹介とは?一般的なサービス概要を解説
2 新卒紹介のサービスを利用するメリットとは?
3 新卒紹介のサービスを利用するデメリットとは?
4 新卒紹介サービスの活用が、プラスに働きやすい企業とは?
5 新卒紹介のサービスを使う学生の特徴は?
6 新卒紹介サービスを選ぶ時のポイント
新卒紹介とは?一般的なサービス概要を解説
新卒採用を進めるにあたっては、大きく以下のフローがあります。
※企業様によっては、必ずしもこの通りではない場合もあるかと思います。
・新卒採用における、対象学生や、人数などの採用目標を決める。
・採用目標の達成に向けて、手法や、予算を策定する。
・媒体掲載や、広告出稿、イベント参加を通じて企業認知を獲得。
同時に、興味づけを行い採用選考参加してくれる学生数を増やす。
・参加した学生を自社の採用目標に基づき、選考していく。
・選考を通過した学生に内定を出し、入社までのフォローを行う。
新卒紹介サービスでは、企業認知の獲得、採用選考へ参加する学生を増やすところで効果を期待できますが、他にも多くの手法があります。選考に参加する学生を増やす方法として代表的なものは以下の通りです。
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・ナビ媒体(リクナビ、マイナビなど)への掲載
・就職活動イベントへの出展(説明会など)
・各大学や、専門学校での求人票掲載
・ダイレクトリクルーティングを活用する
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他にも、様々なサービスが存在していますが、今回は代表的なものを記載しました。
また、新卒紹介サービスを使うことによって、学生を増やすだけではなく、実はその後の選考をスムーズに進めることができます。
新卒紹介サービスを使うメリットにも詳しく記載しますが、主流である媒体掲載からエントリーした就活生と異なり、面談などをすでに行っている学生が基本的には紹介されるため、学生の情報をより詳しく理解することができます。そのために、選考フローを短くすることなどが可能になります。
新卒紹介のサービスを利用するメリットとは?
ここまで、新卒紹介サービスの説明をしてきましたが、
採用を考えている企業が、実際にサービスを活用するメリットは何か説明していきます。
新卒採用をしている企業にとって、大きなメリットは以下の3つです。
・フラットな学生の意見を、知ることができる
・選考に参加してもらえる可能性が高い
・採用したい学生像が、かなり絞られている場合でも学生と関わりを持てる
・フラットな学生の意見を、知ることができる。
ほとんどの新卒紹介を行っている企業においては、就活生との面談が多く行われています。
そこで就活生の、『今の』志望業界や、就活状況などを定期的に更新しています。
すでに選考を受けている学生が、他にどのような就活をしているのかは、
もちろん面接中などに質問をすれば知ることはできますが。知ることができますが、
・選考に参加してもらえる可能性が高い
先ほども記載した通り、新卒紹介を行っている企業では、
就活生との定期的な面談を行っています。
そこでは、1人1人の価値観や、就職活動における軸などをヒヤリングしていきます。
そのヒヤリング内容にあっている企業や、イベントを紹介することが基本となるため、
学生への魅力づけが一定できている状態で企業を知ることになります。
結果として、興味を持った学生はその企業の選考を受けるモチベーションが高く、選考に進む確率が高くなると考えられます。また簡単な企業説明は、その場で受けることが多いため、企業の説明会を聞いて、持っていたイメージと違うなどが起きにくく結果として、その後の選考フローへの参加率が高くなることが考えられます。
・採用したい学生像が、かなり絞られている場合でも学生と関わりを持てる
新卒紹介を行っている企業は、就活生から定期的にキャリアに関する相談を受けています。そこでは、どんなキャリアを形成していきたいのかはもちろん、過去にどんな経験をしてきたか、今どんなことに取り組んでいるのかなどの情報を聞いています。
そこでは、エントリーシートや能力テストだけで十分に知ることが難しい、経験に関する深い情報や、スキルを理解することができます。その情報を元に企業に対して、就活生を紹介しているので、採用したい学生像にマッチした学生と関わりを持つことができます。ロムスクラッチ
新卒紹介のサービスを利用するデメリットとは?
一方で、新卒紹介のサービス利用にはデメリットも存在しています。
他のサービスで補えるものもありますので、複数のサービスを組み合わせて
最適な採用活動を行うことが重要です。
新卒紹介サービスを使うデメリットは以下の3つです。
・強い媒体などと比較をすると関わりを持てる学生数が少なくなる。
・早期から選考に参加している学生が多く、フォロー期間が長くなる。
・採用単価が媒体のみと比較すると高くなりがち
・強い媒体などと比較をすると関わりを持てる学生数が少なくなる。
新卒紹介のサービスにおいては、多くの大学生が利用する大手の媒体系サービスと比較をするとユーザー数にまだまだ差があります。
大手のナビ媒体における学生数は数十万人に達しますが、
ほとんどの新卒紹介サービスでは、多くても数万人規模です。
そのため強い媒体と比較をすると、関わることのできる学生数も自然と少なくなります。
・早期から選考に参加している学生が多く、フォロー期間が長くなる。
主要な媒体系のサービスにおいては、情報解禁は6月からなど開始時期の制約がありますが、新卒紹介のサービスではそれよりも前から面談などを行っています。また、そこからサマーインターンなどを通して、採用を行ないたい企業に学生を紹介するケースもあります。
そのため、新卒紹介サービスからの学生は採用活動の早期から関わることが多く、面談などのフォローの期間が長くなります。
もちろん早期に内定を出す企業も多くありますが、その場合でも内定後のフォロー期間は長く発生します。
・採用単価が媒体のみと比較すると高くなりがち
主要な媒体系サービスの場合には、初期費用と月額費用を払うことで、
求人情報を媒体に掲載し、選考に参加する学生を増やすことができます。
そのため、学生数の増加に関係なく費用が一律なのに対し、新卒紹介を行う企業では、
1エントリーごとの場合もあるため、一部のケースでは採用単価が高くなります。
また合わせて内定承諾が決まったタイミングや、入社が確定したタイミングで費用が発生する成果報酬と呼ばれる費用もかかることから、媒体等に比較すると一般的に費用が高くなります。そのため、採用手法として新卒採用サービスだけを使っている企業は多くないと思います。
新卒紹介サービスの活用が、プラスに働きやすい企業とは?
ここまでは、新卒紹介を行う企業を取り上げてきました。
それらを踏まえて、実際にどのような企業にとって、新卒紹介サービスが有効な採用手法になるのかを解説していきます。大きく、以下のような企業です。
・採用活動の中で、学生と早い時期から関わりを持ちたい企業
・採用したい学生像がかなり絞られている、かつ人数が少ない企業
・関わりを持ったあとで、強力な魅力づけを行うことができる企業
・採用活動の中で、学生と早い時期から関わりを持ちたい企業
新卒紹介の企業から紹介を受けた学生は、早期に動き出しをしていることが多く、
サマーインターンなどから、企業との関わりを持つことになる場合が多いです。
・採用したい学生像がかなり絞られている、かつ人数が少ない企業
採用戦略上、採用したい学生像がかなり絞られており、
経験面や、能力面、人間性などで厳しい評価が必要な場合には、
新卒紹介のサービスを活用することがプラスに働くケースが多いです。
一般的に、媒体経由などでエントリーした学生の場合には、
エントリーシートや、能力テストでしか、面接前に学生を評価することはできません。
しかし、新卒紹介サービスの場合には、繰り返しになりますが、過去の情報を詳しくヒヤリングしているため、細かな学生像であっても対応することが可能です。
・関わりを持ったあとで、強力な魅力づけを行うことができる企業
早い時期から関わりを持てることは、一方でフォロー期間が長くなると先述しました。
ただし、強力な魅力づけを行うことができる場合、
フォロー期間の長さ自体はそれほど大きなマイナスではなくなります。
例えば、以下のような場合、どれだけ早期であっても、
学生は入社を決意してくれることがあります。
・社長がとても魅力的で、一度話したら一緒に働きたいと思う。
・社員が魅力的な人が多く、一緒に働きたいと思える。
・事業内容が強い共感を生むことができる。
・裁量権など、若手から活躍する機会が実態として存在している。
・長期インターンの受け入れをしており、早期に迎え入れる環境がある。
これらをまとめると、就活生の軸にあった企業であれば、
フォロー期間が長いことはそれほどマイナスではありません。
ただし、上記のような魅力を持っている企業は多くあるため、
基本的に就活生には相対的な評価をされることになりますので、
常に魅力を振り返っておくことが重要になります。
新卒紹介のサービスを使う学生の特徴は?
逆に次は、学生側の特徴を見ていきます。
弊社で実施したアンケートでも、紹介系のサービスを使う学生は、早期から就職活動を始めていることが多い結果になりました。また、その時期は年々早くなっているようです。
そのため、選考を受け始める時期も、内定承諾時期も早いのが特徴です。
大手媒体による、就活解禁が6月からなのに対し、
新卒紹介やダイレクトリクルーティングのサービスは
サマーインターンなどから就活生をサポートしていることが多いため、
企業との接触や、選考に臨む時期が早くなります。
一方で、全員が就職活動を早く進めるわけではなく、
あくまで『就活に慣れること』を目的として、
サービスを利用している学生も一定数います。
本命企業が、6月からしか本選考を始めない場合などに、このケースが発生します。
特に早期から就活を始めている学生においては、就活を遅く始める学生と比べて、内定の数が多くなる傾向があり、内定辞退の可能性が高まります。
採用活動をしている企業としては、内定辞退を防ぎたいところですが、
実は無理な囲い込みを行うことは、大きなマイナスとなることもあります。
以前、ベンチャー企業への就職と、大手企業への就職で迷っていた経験のある学生は、ベンチャー企業との内定後面談で、以下のように言われたそうです。
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ベンチャー企業の採用担当者
『Aさんは、うちに来る気どれくらいあるの?』
就活生Aさん
『今はまだ、株式会社●●●の選考が終わっていないので、答えは出ないです。』
ベンチャー企業の採用担当者
『確か、Aさんの就活の軸のなかで、成果がきちんと評価されることってあったよね?』
就活生Aさん:『そうですね、それは私の中で軸の1つではあります。』
ベンチャー企業の採用担当者
『じゃあ、株式会社●●●に行く理由って何だろう?あそこは、もう大手企業だし、普通に年功序列だよ。知り合いがいるけど、年次でほとんど決まっているって。』
就活生Aさん:『なるほど、でも他の面で自分の軸とあっている部分があるので、選考は最後まで受けたいと思っています。』
ベンチャー企業の採用担当者
『でもさ、Aさんの軸には全くあっていないから、入ってもつまらないと思うよ…。』
このあとも、執拗に迷っている大手企業を否定することを言われ続けたそうです。結果として、この学生はベンチャー企業の内定を辞退し、大手企業に進むこととなりました。
最近、ニュースなどでも取り上げられる、オワハラ。実際に、ソーシャルメディアでも話題になっており、就活生の間でも一般的に広がっているようです。この学生は、もうこのベンチャー企業を後輩に勧めることはない、とはっきり言っていました。
情報がフラットに回るからこそ、1人1人の就活生が持つ企業イメージはとても重要になるので、内定辞退を防ぐためであっても、無理な囲い込みは避けるのが良いと思います。
新卒紹介サービスを選ぶ時のポイント
ここまで、新卒紹介サービスの詳細を説明してきましたが、
世の中にはたくさんの新卒紹介サービスが存在しています。
そこで、最後に新卒紹介サービスを選ぶ際のポイントをまとめていきます。ただし、大前提として以下は検討が必要です。
・そもそも、新卒紹介サービスを使う必要があるかどうか。
新卒紹介サービスを利用することがプラスになりやすい企業について、すでに記載をしましたが、そこに当てはまらない場合、他の採用手法の検討も進める必要があります。
新卒紹介サービスを使って、採用を成功に近づけるためには、
どんなことを意識してサービスを選べばよいのでしょうか。
以下のポイントを検討するのが、一般的です。
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・1名を採用するための、採用費用
・採用したい学生像に当てはまる学生の数
・紹介以外のサービスラインナップ
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・1名を採用するための、採用費用
1名の学生を採用するに際しての費用は、ほとんどの企業が予算として策定しているかと思います。この費用と、大きな乖離がある場合は利用を予算内で採用目標を達成できる見込みが少なくなります。
・採用したい学生像に当てはまる学生の数
新卒紹介のサービスにおいては、リッチな学生情報を保有していることが多いため、
一部のケースでは、採用学生像に該当する学生がそのサービスをどの程度利用しているかを把握することが可能です。もちろん、採用目標にもよりますが、多くの学生がいる方が、多くの関わりを持てる可能性が高くなります。
・紹介以外のサービスラインナップ
採用活動においては、単に学生数を増やせばいいわけではなく、
内定承諾までの一連のフローを行う必要があります。また面談が重なる時期には、連絡や調整が大量に発生してくるかと思いますので、なるべく企業との調整を減らすためにも、紹介だけではなくイベントなど複数の施策を1つの企業で行えることが良いかと思います。特に、学生数がなかなか伸びにくい場合には、イベントや、媒体掲載、拡散などを追加で行う必要が出てきますので、複数のサービスを提供しているところの方がベターです。
以上が新卒紹介に関しての、全体像になります。
貴社にとって最適な手法を組み合わせて、採用活動を成功させましょう。
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